100年後の「売れない芸人」へ




こんにちは。はじめまして。売れない芸人さん。 私は今から百年前の男。小中高と、さらに専門学校では ダンシングボケリズムの異名をもつ芸人だ。君は今ネタがなくて困ってるだろう。 私が百年前に超ウケたネタを君に伝授しよう。言っておくが、このネタは百年という ブランクを感じさせないネタだ。さらに私はこのネタを学校でしか披露していないので、 君が使えば完全オリジナルのネタということになる。
 ではまず一つ。
 顔から汚物が大量に出る人というネタ。まずは鼻に手をあてて両手を顔の前につき出し、 「ボウッ!!」と大きな声で発する。さらにたたみかけるように耳に手をあて再び 「ボウッ!!」と発し、それを目、口、最後には頭からふき出すイメージで「ボウッ!!」 という。恥を捨ててやるように。また、手紙で伝わりにくいなら、 「百年後の売れない芸人へDVDバージョン」を手紙が入っていた封筒に同封してあるので 、家に帰って参考にしてほしい。私の予想では百年後であってもDVDは永久に不滅である ハズなので、大丈夫。
 では次のネタ。このネタは私が学生時代に最もウケたネタである。いわいるテッパンネ タというものだ。「水を飲む人」というタイトルコールとともに、両手でペットボトルをもち 、高くかかげて下に向け、口を開けて、恥を捨てて「ボボオボエボレボ」と言い、観客の方 を向き、すかさず右手を腰の位置に持ってきて、「1リットル!!」と言いながら頭の上へ と手をうごかす。これは絶対にウケるのでぜひためしてほしい。あ、よくわからない場合は、 DVDを参考するように。
 以上が百年後の売れない芸人の君へ宛てた手紙パート32だ。パートてつくごとにネタを 二つ解説しているのでぜひ探して見つけてほしい。また、このネタが受けなかった場合は君 の能力の低さが原因であることは言っておく。最後にこの手紙が私の子孫に拾われないこと をとても祈っている。ではまたどこかで。





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